郡山市にて、上棟式を執り行いました。
今回は上棟式のあれこれについて書いてみたいと思います。
こちらは「棟札」と呼ばれる札です。
建築する際に棟木や梁など高いところに釘で打ち付けます。
棟札の役割は、建築記録を書き記し、残すこと。
解体された際に見つかって、歴史資料となります。
現在発見されている中で最も古い棟札は
岩手中尊寺所蔵の保安3年(1122年)、なんと895年前のものだそうです!
次にこちら。
まず、風になびいているカラフルな布は「五色旗」といいます。
日本では、古代中国の影響を受け森羅万象を具現化させた色を
上棟式で飾ったり、神前に奉献したりするそうです。
次に6角形の飾り。
矢車といって、中には矢羽根という鶴と亀の絵が描かれた羽がついています。
氏神様を鎮める役割があるとのこと。
最後にこちら。
みなさま一度は見たこと・聞いたこと
あるいは参加したことがあると思います。
古くから上棟式の時には小銭やお餅、お菓子を上から投げて
下で近所の方が拾うという光景がみられました。
なぜ餅をまくのか、みなさまおわかりですか?
古くから家を建てること=富がある、厄災が起こる
という考えがありました。
そして家を建てることは地域の共同作業だったそうです。
そこで、餅を「富」や「厄災」として屋根の上からまき、
他の人に持ち帰ってもらうようになったという説があります。
また、餅は保存が利く食料ですので、昔の人は
富が少ない人たちにも役立つものを、と餅をまいたそうです。
いずれにしても最近では略式化されて滅多に
見られない光景となりました。
ちなみにこちらの現場は建て替えです。
解体前は築200年以上の歴史がある、趣のあるたたずまいでした。
解体中の様子です。
当初より、お施主様には200年以上の歴史ある梁は
建て替え後の家のどこかに使いたいとご希望がありました。
ご希望にお応えできるよう、家の大切な一部として使用させて頂きました。
下の写真で黒い梁が解体前の家で使われていた梁です。
古い梁も上手に活かすことで、建物が生まれ変わっても
歴史を継いでいくようで素敵ですね(^^)
完成が楽しみです(^^)
加藤